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・音を大きくする方法について解説しているページです。

 どうすれば、音が大きくなるの?



 音が小さい原因について考えてみる

DTM初心者の方がある程度のところまでいくと直面する悩みの一つに、「どうして音が大きくならないの?」という問題にたどりつきます。

やっと、楽曲が完成し、MP3やWAVEファイルをプレーヤーで聞いてみると、市販のCDやプロアーティストの音源よりも音が小い…。

こういう場合は原因を確かめましょう。


【原因となる要素】


1・再生プレーヤーのMP3やWAVEファイルのボリュームを小さくしている。

2・音量・音圧などのマスタリング処理をしていない。

ほとんどの方は、2番の方に問題があると思います。音を大きくするには、音量と音圧が高くないと大きくなりません。DTM初心者の方は、この辺りで迷って挫折してしまいがちです。

今回は、トラックダウンが終了し、既に2MIXされた音源の基本的な音圧の上げ方(音量・音圧処理)について説明していきます。

※2MIXとは、DAWソフトで編集しMP3やWAVEファイルにExportされたステレオ2チャンネル(LR)の音源を表しています。

※音圧を上げる方法の中に、リミッターやマキシマイザーを使用する方法がありますが、今回は初心者にも分かりやすく、どのDAWソフトでも手軽に使える「コンプ+EQ」で音圧を上げ方法をご紹介しています。


 1・ノーマライズ

まずは、オーディオ波形の音量を適正レベルまで持ち上げたり、最大音量を基準に、全体の音量を上げるノーマライズという作業を行います。

各DAWソフトには、簡単にノーマライズ出来る機能が搭載されているので、分からない方は、ソフトのヘルプをみて下さい。


FL Studioを使用されている方は、「Edison」という波形編集ツールを使用し、Tools > 【Amp】-Normalizeで簡単にノーマライズ出来ます。




1)・エフェクトスロットに「Edison」をセットする。




2)・Load smpleで波形を読み込む。




3)・Tools > 【Amp】-Normalizeでノーマライズ処理を行う。(2)と比べて波形が大きく変化しているのを確認したら、再生ボタンをクリックして音量チェックしてみる。




4)・最後に、「Save smple as」で名前をつけてファイルを保存します。

これで、ノーマライズ処理したオーディオファイルが完成しました。
次は、いよいよ音圧処理を行います。



 2・音圧上げる


【コンプレッサー】

コンプレッサーは、一般的に音圧を上げる機材として使用されています。

しかし、本来は音圧を制御する機材として開発されました。

この辺りを履き違えていると、ちょっとめんどうな事になるので覚えておいて下さい。

簡単に説明すると、自動車で時速60キロをキープして走りたい場合は、スピードメーターが60キロに達するまでアクセルを踏み、60キロを越えたらブレーキをかけます。そして、この一連の作業を繰り返しながらスピードをコントロールします。

音源製作において絶対に越えてはならないラインが0dbであり、このラインを越えるとクリップ(音割れ)してしまいます。

コンプレッサーを使用すると、0dbまで音圧を上げ0dbを越える音を圧縮して歪まないように設定出来ます。

基本的なMIXコンプレッサーの設定は以下のようなものです。


Threshold=-10db〜-16db

AttaCk=0.0ms〜18.0ms

Ratio=3.0:1〜10:1

Release=290ms〜490ms

(Gain)Output Fain=+9db


各種DAWソフトに同梱されているコンプレッサMIXのプリセットの値はこんな感じです。

だいたい、この辺りでセッテイングし、おもにThresholdと(Gain)Output Fainをイジッてシーソーゲームをやらせれば、初心者でも上手く音圧を上げることが出来ます。慣れてきたら他のパラメーターも動かしみて下さい。




【コンプレッサーの各パラメーターの説明】



Threshold(スレッショルド)

スレッショルドで、dBレベルの値を設定すると、スレッショルドレベルに達した時に、レシオ・アタック・リリースの設定に合わせて圧縮処理が始まり、入力信号のゲインは減少します。

※このツマミで大きな音を抑え、一定の最大音量するために使います。


AttaCk(アタック)

スレッショルドで設定した、レベルに達し圧縮が始まるまでの時間を制御します。速く設定すると圧縮が急激に始まり、遅く設定すると圧縮は緩やかに行われます。アタックは音源の特性を活かすような設定をして下さい。

※値が小さいほどナチュラルで、大きくなるにつれてメリハリのある音になります。


Ratio(レシオ)

スレッショルドレベルに達した信号を、どれ位の比率で圧縮するか設定します。

※音をどのくらい小さくするか決めるパラメーターです。


Release(リリース)

スレッショルドで設定した値よりも低くなった場合に、圧縮をやめるまでにかかる時間を設定します。

※リリースタイムを長くすると、ナチュラルな感じで、短くすると近くに感じます。


(Gain)Output(ゲイン・アウトプット)

圧縮された音を適正値に増幅する出力パラメーターです。

※コンプレッサーを使用し音を制御すると、同時に音の余白が消えてしまうので、最後にこのパラメーターでクリップしないように音を上げてやります。




FL Studioを使用されている方は、Fruity Compressorというプラグインエフェクトを使用する事で簡単に音圧を上げる事が出来ます。




1)・Wave Candyをエフェクトスロット2番目に挿入し、Meter→Mode→Peakに設定します。これでdbの値がみえるようになりました。標準では、グリーンまでがOKで黄色が表示されるとクリップ(音割れ)した事を示しています。




2)・エフェクトスロットの1番目にFruity Compressorをセットする。




3)・Fruity Compressorパネルの上左側の三角をクリックし、Presetsに矢印を移動させると、プリセット一覧をが表示されるので、Complete Mixをクリックすると設定完了です。




4)・ThresholdとGainで音圧を0dbをより上にいかないように設定したら、MP3やWAVEファイルにExportして下さい。

もう少し音圧上げたい方はイコライザーも使用してみて下さい。




【イコライザー】


コンプレッサでの音圧処理が終了しましたが、さらに音圧を上げる方法はあります。

イコライザーを使用する事で無駄な超低音域をカット出来ます。

簡単に説明すると、先ほどコンプレッサーをかけた音源は、普通の試聴環境では必要とされない、超低音が含まれていたため、もう少し音圧を上げられなかった可能性があります。

人間の耳は20Hz以下は聞こえないし、50Hz以下の楽器の音は、楽器その物音というよりは空気感や質感みたいなもので、音圧を上げたければカットしても問題ありません。この辺りはセンスを問われる問題ですが、2MIXのマスタリングなら40Hz以下の調停音域をカットします。

近年の発表されているCD音源のほとんどが40Hz以下の低音域をカットしているものが多いからです。

イコライザー処理が出来たら、またコンプレッサーの値を設定して、さらに音圧が上がるかチェックして見ましょう。


FL Studioを使用されている方は、Fruity Parametric EQ2というプラグインエフェクトを使用する事で簡単に低音域をカットする事が出来ます。




1)・2番目のWave Candyのエフェクトスロットの2番目の左側の三角をクリックリし、メニューが表示されたらMove dwonをクリックするかマウスホイールで3番目に移動させる。




2)・2番目のエフェクトスロットにFruity Parametric EQ2セットする。




3)・Fruity Parametric EQ2パネルの上左側の三角をクリックし、Presetsに矢印を移動させると、プリセット一覧をが表示されるので、「40Hz+18kHz cut」をクリックすると設定完了です。




4)・実際に音を流しながらFruity Parametric EQ2パネルの左のラインの所をドラッグして低音域をカットする場所を決めます。Fruity Parametric EQ2の設定が完了したら、再びCompressorで音圧が上げられるかチェックしてみましょう。



 まとめ


基本的に上記でやった音圧の上げ方(音を大きくする方法)は基本中の基本で、まだ完璧なものではありません。

実際には、さらにリミッターを加えたり、イコライザーの細かい補正やラウドネスコントロール、位相チェックやアウトボード・プリアンプ処理などさまざまな処理をしなければいけません。

しかし、DTMをやっている人のほとんどがマスタリング処理に時間を費やせれ、いつの間にか、楽曲制作から音圧を上げるテックニックばかりを磨くように、結局1曲も完成させられない廃人になってしまう人がいます。

基本的に音圧処理は、自分が楽しんだり他の人に聞かせて心地よいと思う程度でやめておいた方が良いと思います。

ほんとうにプロ並みの音圧を求めたければ、後はマスタリング業者に依頼してマスタリングしてもらうのが得策です。

実際に、マスタリングエンジニアという職業があり、彼らは数十年マスタリング作業ばかりに従事し最高の技術を習得しています。

しかし、ギターリストでもなければ作曲家でもない。やはりマスタリングエンジニアという特殊な技術者なのです。

残念な事に、エンジニアとプレイヤーの両立は不可能のに近いので、どちらかに比重をおいて中途半端にならないように心がけましょう。

最後にマスタリングに関して参考になった書籍をご紹介しておきます。



音を大きくする本 (Stylenote Nowbooks3) [単行本(ソフトカバー)] 永野 光浩 (著)


私も実際にこの本を購入しました。内容的には、初心者から中級者向けのものだとおもいます。DTMを始めた方やバンド活動をされている方が自宅で手軽にデモ音源のマスタリングなども出来るようになると思います。

とりあえず、この本を読めば人に聞かせても恥ずかしくない程度のマスタリングは出来るようになります。普通の人は分かりやすいのでこれくらいで良いです。


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